発売と同時に速攻で購入し、ランニングで愛用していたSOUNDPEATSのGoFree 2が故障したので、音響マニアに人気のラディウスから初登場の”ながら聴きイヤホン”、ネックバンド型のradius HP-H100BTを購入してみました。
2023年12月に発売だからなのか、PRに力を入れていないのかわかりませんが、いかんせん巷のレビューが少ない…。しかしながら、書かれているレビューはほとんどが高評価。最低でも星3。「これはいけるかも!」と思いポチったけど、つけ心地や使い勝手が心配…。さて、この判断は正しかったのか??? 1ヶ月ほどガッツリ使用したので、いざ、レビュー。
スペック
・重量:約20g / 収納サイズ:
・防水:IPX4
・最大再生時間:最大11時間
・充電時間:1.5時間
・最大通信距離:見通し10m
・Bluetooth:5.3
・対応コーデック:AAC, SBC
・Φ14.8mm カーボンファイバーペーパードーム振動板ダイナミックドライバー
・マルチポイント対応
・コールノイズリダクション
独自性のオンパレード
ラディウスは、元Apple社員が立ち上げた会社ですが、それもあってか、独自性やこだわりが流石だな〜と思ってしまいました。
形状記憶合金ネックバンド
有名どころのShokzだったり、他のメーカーからもネックバンド型のイヤホンが出ていますが、ネックバンドが形状記憶合金で出来ていて、しかも円形にコンパクトに折りたたんで収納できるデザインがとてもユニーク。ワイヤーなので、軽量化にもつながっています。ネックバンドじゃなくて、ネックワイヤーイヤホンと呼べばいいのに。(響きが軽そうw)
形状記憶合金なので、適度なテンションが筐体にしっかりかかる。そして、フレキシブルが故に、折れる心配がない。ヘッドレストのある椅子にもたれかかって座った場合、ネックバンド部分が邪魔になるんじゃないか?と思っていたのですが、意外と融通が効くというか、ワイヤー部分と後頭部の隙間がほとんどないので、より掛かるとヘッドレストにワイヤーが接触すると若干イヤホンが前に移動するだけで済みます。
このバンド部分が形状記憶でなければ、購入していませんでした。それくらい推しポイントです。(コンパクトなキャリーケースも付いてきます。)
耳掛けではなくイヤーピースで保持
ラディウスのお家芸のひとつである、イヤーピース。ながら聴きイヤホンでもこのスペシャリティを発揮しています。支柱付きのリング状のシリコン製のイヤーピースが特殊で、筐体→支柱→リング状イヤーピースという構造になっていて、筐体とイヤーピースの間に空間があり、そこから環境音を取り入れる仕組みに。
このイヤーピースにはフィンが付いて、イヤーピースが耳甲介腔(耳の穴の外側の凹んだエリア)で保持され、形状記憶合金バンドの張力によって優しく押さえるという独自の「フローティングフィットシステム」にて、筐体の装着位置を浮かせた状態で安定させることができるという代物。耳の上にひっかけるだけの耳掛け式とは異なり、完全に耳を塞がないイヤーピースがあることで、クローズド型とオープンイヤー型の中間に位置するようなデザインになっています。
この「フローティングフィットシステム」の何が良いかというと、2つポイントがあります。
1つ目が、普段通りにメガネ・サングラスのテンプル(ツル)を耳の上でかけることができます。Go Free 2でのイマイチポイントだった、メガネ・サングラス問題。モノによっては、イヤホンとメガネ・サングラスのテンプル(ツル)がイヤホンの上にがっつり乗っかかることで、走っていると耳の上に掛けているイヤホン部分が痛くなることがありました。なので、写真のようにテンプルが干渉しないように斜め上にしないとダメだった…という問題が解決。HP-H100BTでは厚みのあるテンプルを持つOAKLEYのFlak Jacketでも問題ありませんでした。
汚いオッサンの耳の写真でごめんなさいw 清々しいキレイなお姉さんの宣材写真を公式HPからご覧になり、中和してください! というのは冗談で、装着した際の感じが良くわかるので、是非ご覧ください。
2つ目が、スイートスポットの調整が不要。耳掛け式の場合、音が出るドライバーユニットのスイートスポットの適正な位置の調整が必要。ズレたら再度位置調整せねばで、ただでさえよくない音質が更に悪くなるということもしばしば。(ながら聴きだから許せますが…)この鬱陶しい調整がHP-H100BTでは皆無になります。ポン付けで、走っていても、飛んでも跳ねても、ズレません。すばらすぃー。
イヤーピースは、S、M、Lと3サイズ同梱さているので、自分の耳のサイズにあったイヤーピースを使うことが出来ますが、どれもしっくりするので、どれがぴったりなサイズかわかりませんw 全て試してみましたが、聴こえ方に大きな違いはありませんでした。説明書には「長期の使用・保管で劣化したら交換してね」と記載されており、イヤーピースセットだけの販売もあります。シリコンのイヤーピースが経年劣化するまでイヤホンが長持ちするってこと!?楽しみw
特殊イヤーピースのチカラ
正直に伝えます。HP-H100BTで届いて一発目聴いた時に、んんん???と思ってしまいました。(汗)音にダイナミックさがない、音量もなんか小さい、失敗したかも…と。
ただ、Go Free 2の右耳イヤホンが故障し、この数日間カナル型で走っていたので耳がちょっと肥えてしまったのかも…と思い、小一時間ほど聴き放しにして、耳をHP-H100BTに慣らしたところ、普通に良い感じになりました。(ホッ)
で、愛用していたGo Free 2とHP-H100BTの左耳だけで聴き比べてみたところ、失礼ながら笑ってしまいました…。Go Free 2があまりにもショボすぎて…。元々低音がダメダメなGo Free 2ですが、中音域の聴こえは良く、オープンイヤー型と考慮しても悪くはない評価だったんですが、HP-H100BTと比べるとびっくりするくらい音が薄っぺらい。HP-H100BTを聴いた後にGo Free 2を聴くと、特に高音域が耳障りに感じました。HP-H100BTは、低・中・高音域のバランスがGo Free 2よりも圧倒的に良いです。低音もオープン型としては大健闘しています。ただ、中音域の存在感はありますが、ボーカルの解像度が少し低めで若干籠もり気味に聴こえるのが気になります。とは言え、オープンイヤー型と考えると、相当良い感じです。
HP-H100BTはドライバーユニットにこだわっているのに加え、やはりクローズドとオープンイヤーの中間に位置するイヤーピースを起用したデザインが音質に大貢献していると思います。
オープンイヤー型だと、環境音が大きい電車、地下鉄、バスなどでは、音量をあげないと聞こえづらい、でも音量を上げると音漏れがする…といった困りごとがありますが、HP-H100BTは完全にオープンイヤー型ではないので、音量をガンガン上げなくてもよい=音漏れも少ないというメリットがあります。また、環境音を取り入れる隙間も大きな隙間でないので、音漏れも抑えられる造りになっています。
独自規格マグネット式充電ケーブル
充電する際の接続端子が左側にしかないので、左右分離型あるある:片側しか充電されていなかった問題が解決します。そして何より、不調をきたしやすい接続部分(特に充電ケース側にある上下可動するポッチ)の故障する確立が1/2に減るので、分離型より故障せず少しは長く使えるかも〜と期待しています。左右分離型で保証期間以降に充電ケース側が故障すると本体を買い換えになってしまいますが、HP-H100BTのマグネット式充電ケーブルは単体で販売されているので、充電ケーブル側に問題が生じても安心です。
実際に使用してみて
まず、重量も軽く、バンドが耳の上と接触しないので、耳掛け式のGoFree 2よりつけ心地が良いのに驚きました。耳甲介腔でのイヤーピースの存在感はありますが、耳の穴が塞がれている感はありません。ただイマイチなポイントもあるので、後述します。
質感はマットで、落ち着きがあります。ラバー塗装されているっぽいので、酷使していると剥げてきそうな気配がありますが、長期レビューで追記します。
意外と良かったのが、左右独立していないので屋外での落下・紛失に気をかけなくて良い点、外した後に首につけっぱなしにできる点です。汗を拭く時、顔に水をかける時に便利。ポロッと落とすということがありません。あと、使用後にスッと外して、ポイッと置いておいても必ず見つけられる点です。(笑)左右分離型の「あれ、片方どこいった〜?」というのがなくなります。
使用する際に、L側のボタンを3秒押してパワーオンさせる動作が必要になります。(オフは5秒)充電ケースから取り出せば勝手に電源オンになるのに慣れていると、ひと手間に感じます。ただ、物理ボタンがあることで、タッチパネル部分に気づかず触れてしまい、勝手にオン・オフなど誤作動を起こしてしまうということが避けられます。5分間ペアリングしていない状態が続くと自動的に電源がオフになるとのことで、そこは親切設計です。
通勤時はカナル型を使用するので、もっぱらランニング、Web会議、自室で家族に呼ばれてもすぐ対応しなければいけない時間帯の動画視聴やゲームのみで、人がすぐ近くにいるシチュエーションで使用していませんが、試しに妻に聞いてみるとiPhoneのボリューム50%くらいでも音漏れは気にならないとのこと。Web会議に出席している同僚に聞いてみると、わたしの声もクリアに聞こえるということでひと安心。(Macの環境音を分離して声だけクリアに届ける機能のお陰かもですが。)
タッチパネルの操作は概ね良好です。タッチすると木琴のようなかわいい音がタッチした回数だけ鳴ります。感度も良好。左耳だけでの操作になるので、タッチ操作が少し特殊ですが、複雑ではありません。曲送りは自分の前方にスワイプ、曲戻しは自分の後方にスワイプと直感的です。ただ、これはどうしようもないことですが、耳から外して手に持っている際にタッチパネルに指が触れてしまい誤作動を起こすことがあります。Stopさせたと思って取り外したら、知らずにタッチしてしまいPlay中になったり。使用しない場合はしっかり物理ボタンを押して電源をオフにするクセをつけたほうがいいです。
ここがイマイチ
耳が痛くなった(慣れたら痛み無し)
わたしの耳の形が悪いのか、左耳だけ痛くなりました。若い方はご存知ないと思いますが、昔、飛行機に乗ると配られていた聴診器みたいなイヤホンがありました。そのイヤホンでは、長時間フライトの際、耳が痛くなっていたのですが、あの感じを思い出しました。(構造上似ているから?)イヤーピースのサイズがS、M、Lとありますが、どれを装着しても30分ほど装着しつづけると痛みが出ました。ただ、耳が慣れたのかわかりませんが、3日ほど使いまくっていたら4日目には痛みはほぼ無くなりました。1週間目くらいに3時間ほどジョギングでつけっぱなしにしてテストしましたが、ちょっと耳が痛かったです。2週間ほど経った頃からは、痛みに関しては問題なしになりました。耳の形など個人差があると思うので、あくまでも一例ということで。
充電が5V/1Aのみ
説明書に5V/1Aを超える電流で充電は不可と記載がありました。(急速充電含む)パソコンからの充電を推奨していますが、MacはポートがUSB-Cのみ…。(充電ケーブルはUSB-A)アダプターつければ済みますが、うーーーーん。おまけにモバイルバッテリーも1Aじゃない…急速充電だし。ということで、ちょっと充電には気を使います。
防水性能がIPX4
シャワーで水がかかる程度であれば、大丈夫というIPX4なので、雨がかかるくらいは問題ないですが、アウトドアで使用するので、水没させても大丈夫なIPX5は欲しかった…というのが本音です。
アプリがない
アプリとの接続機能がないので、イコライザー機能にて、好みの音に調整することができません。ま、音質に関してデフォでも満足なので、潔いということにしておきましょう。あと、アプリがあると、バッテリー残量がわかるので、アプリがあると良かったのにーと思います。
電源オフの5秒が長い
たった5秒ですが、地味に長く…面倒に感じます。電源オンと同じく3秒くらいまでが使い勝手が良いかなと。もしくは、タッチパネル長押しとか。
総評
ひとつひとつのディテールに意味があり、そしてそのディテールがシームレスに繋がり、また別の意味をもたらすという合理的さ。そして俯瞰視すると、洗練されているという素晴らしいプロダクトデザイン。使い勝手も非常に良い上に、お値段も手頃。「コスパが良い」という下世話な言葉を使うのがちょっと気が引ける製品です。でも、言っちゃいます。真・コスパ最強!!!コスパ最強だったGo Free 2をあっさり超えました。はい。正直、もう少し使い勝手を良くしてくれたら…と思える部分がありますが、音質が良いので許せます。
SOUNDPEATSのGo Free 2が8ヶ月で故障したのもあり、今回、Yahooショッピングのラディウスの直営店から購入しました。なぜなら、PayPayほけんというものに加入でき、570円で3年保証がつけられるから。(5年間は950円)これまでの経験からワイヤレスイヤホンは、長持ちする気配がないので、延長保証をつけられるなら付帯したほうがお得だと思います。メーカー保証がちょっと過ぎた頃に壊れた…という経験もあるので…。
なんとなくの感じですが、サポート体制がしっかりしているかも。「なにかあったら気兼ねなくサポートにご連絡ください感」が説明書や購入後のメールからヒシヒシと伝わってきます。もし故障などでサポートのお世話になることがあれば、体験談を追記するようにします。