GW突入前に、理由はさっぱりわからないのですが、突発的に燻製が作りたくなってしまいました。
燻製された食品だけでなく、ウイスキーと言えばカリラ、タリスカー、ラフロイグが大好物で、燻香や正露丸臭(笑)が漂うものには目がないのです。気になったものはすぐに自分でやってみるような人間なので、これまで色んなものをDIYしたりしてきたり、アメリカに住んでいた時も毎週末BBQをやっていたくらいなのに、燻製には手つかず。この四十数年間の人生の中、なぜ燻製だけは避けてきたのだろう…。本当に謎です。
あと数年で50歳になるので、人生も終着駅に近づいている…。色々と断捨離をしていかねば…と思い、不要なモノは買わないように、買わないようにと気にしているお年頃なのですが、どうしても自分で燻製して酒のツマミを作りたい欲求が抑えきれずに買ってしまいました。(汗)

キャメロンズに行き着く前に
当初、手持ちのダッチオーブンや中華鍋でやろうかな?と思っていたのですが、調べると燻製後のタールの掃除が厄介な模様…。雑に扱える専用の燻製器にしよう!と決心。安くあげたければ、段ボールと100均の焼き網でもできる、段ボールが嫌なら100均のステンレスボウルなんかでも作れるんですが、以下のような必須ポイントがあり、却下に。
- 短時間で熱燻したい。→段ボールは熱燻できないので却下。
- 置き場所に困らないものが良い、できるだけコンパクトなもの。欲を言えば、燻製だけでなく別の用途でも使いたいw →鍋型燻製器や100均ボウルは背の高さが邪魔になりそうなので却下。
- できれば家の中でもやりたい、庭でやるにしても煙がモクモク出るのはちょっと気が引ける→折りたたみ式の商品は、サイズが大きい&煙が穴から漏れるとのことで却下。(アルミテープなどで穴を塞ぐことは可能)
ということで、上記3点をクリアできるものが唯一キャメロンズのミニスモーカーでした。
キャメロンズ ミニスモーカーを使ってみて
特徴
- サイズ:収納時:17.5×30×7cm 使用時:17.5×42.5×7cm
- 重量:1265g
- 熱源:ガス、炭火、オーブン、IHに対応
- 素材:ステンレス
- 付属品:スモークチップ、日本語レシピ
- 蒸し器にもなる、パスタ鍋としては最適なサイズ(笑)
良かった点
1)コンパクトで場所をとらない
収納サイズが17.5cm x 30cmということで、21cm x 29.7cmのA4サイズよりもスリムです。重さは1.2kgちょいですが、20cmのスキレットよりは軽いです。箱型なので収納する際、デッドスペースが生まれないのが◎。

2)家の中でもできるくらい煙の漏れがない
実際に燻製してわかったのですが、煙の漏れがびっくりするくらい少ないです。換気扇の下で一番強いモードで換気すれば、お部屋が臭くなることはないと思います。(換気扇のフィルターは臭くなるかもですが。)
3)お手入れが簡単
鍋本体、汁受け皿、網、蓋で構成されていますが、後述する「しつこいタール」を気にしないのであれば、本体の背が低いので、ささっと洗うだけで完了します。中性洗剤で落ちにくい汚れはマジックリンで対応可能◎。
4)様々な食材を燻製できる
長辺が30cmあるので、長さのある食材(魚一匹まるごとやベーコン)なんかも燻製できます。網と蓋の距離が卵が入るギリギリの高さなので、大きめの卵は蓋に触れる場合もあるかもしれません。脚の付いている網を上下逆にして、アルミホイルで小さな球を作って網の脚にして高さを調整するということも可能かと思います。ただ、ほんとうにコンパクトなので、一度に燻製できる量は1回で食べるおつまみくらいだと2〜3人分くらいがMaxです。塩サバ1枚、ミックスナッツ、6Pチーズ3個くらいが限界ですが、2〜3人でつつくにはちょうど良いかなと。

5)初心者でも簡単
初めての燻製で、付属のヒッコリーのチップを使って豚レバーと塩サバを燻製してみましたが、めちゃくちゃ美味しかったです。

レシピ集も付いていました。オシャンティーなレシビが多く、おっさんの酒のツマミ(シンプル&雑でもOK)なレシピはないので、パラパラとめくって後、箱にしまいました。(笑)

豚レバーは事前に半日塩漬け、3時間塩抜き、70度で20分ボイル、冷蔵庫の中で少し乾燥させた後、燻製という工程で、中がしっとりした燻製レバーになり、最高の酒のアテになりました!

塩サバは骨と薄皮を取り除いて、冷蔵庫で少し乾燥させ燻製に。レバーよりもしっかりと燻香を身にまとった燻製塩サバになりました。ただ元々の塩加減が薄いようで、そのまま酒のアテにするには塩加減がイマイチだったので、こちらはほぐしてペペロンチーノの投入。これがマジで激ウマ!簡単なので、是非!
ここがイマイチ
1)汁受け皿の裏にタールがびっしり付く
キャメロンズに限らず、汁受け皿があるタイプは構造上、タールのこびりつきは避けられないと思います。
「汚れるのは嫌〜」と言って、アルミホイルを裏側まで回すのはやめておいたほうが良いかも。本体の底と汁受け皿との隙間がちょっとしかないので、熱源の温度によってはアルミホイルが溶ける可能性大です。スモークチップの受け皿のように下に敷いたアルミホイルが溶けたケースもあり、Amazonやブログでも「アルミホイルが溶けてくっついてしまい、取れなくなって余計に汚くなった…」というレビューがありました。鉄やステンレスと違い、アルミは鍋でも空焚きすると溶けることがあるので要注意です。
レシピによっては、「煙が出始めても強火のままで〜」というものもあるので、アルミホイルを敷くのは、汁受け皿の上だけが良いかと。
2)温度計を挿す穴がない
少しだけ隙間をあけてアルミホイルで隙間を埋めつつ、温度計を挿す穴を確保するのがベストかもしれません。(面倒くさい)庫内が小さいので、もしかすると温度管理はかなりシビアかも。温度管理することがあれば、追記でレポートします。
気になる使用後の汚れ具合(初回使用後)
新品を使った後に、どれくらい汚れたか、お見せします。
コンディション:付属のヒッコリーウッドチップで熱燻(カセットコンロ)20分後、蓋を閉めたまま5分放置、燻製した食材を取り出し冷めた後の状態
1)本体
チップ周りにタールなし。炭化したチップのみ。茶色い熱源による焼けは、避けられる方法はありません。汁受け皿の裏面から垂れてきたと思われるタールが若干付着していましたが、食器用中性洗剤で簡単に取れました。

2)蓋
裏側に粘度の薄いタールが付着していましたが、食器用中性洗剤で簡単に取れました。

3)網
若干タールが付着していました。食器用中性洗剤で取れるものと取れないものがありました。取れないものは後述の重曹地獄鍋で取れました。網は新品のようにきれいになりました。

4)汁受け皿
表面は上の写真のようにアルミホイルを敷いていたので、ダメージなし。裏面に焼き付いたタールがびっしり。食器用中性洗剤では無理だったので、マジックリンと塗布。結果、マジックリンでも歯が立たず、ミニスモーカー本体に水1.5リットル、重曹大さじ3を入れて、網と汁受け皿と共に20分間グツグツ煮ました。その後3時間放置。少しだけタールは取れましたが、90%以上残ったままの状態でした。熱を加えながらやれば取れるかも…という淡い期待は砕かれましたw

最終兵器(リンレイ 換気扇レンジクリーナー)
とあるブログで、リンレイ 換気扇レンジクリーナーが良い仕事をすると紹介さらっと紹介だけされており(どれくらいキレイになるなどはわからず…)、その効果が気になり、試しに購入してみました。
下記、中性洗剤で洗う→落ちない汚れをマジックリンで洗う→それでも落ちない汚れをリンレイ 換気扇レンジクリーナーで洗う(スチールウール&スクレーパーも使用)でやった結果です。
↓光の反射で汁受け皿の汚れ具合が見えにくいですが、ほぼ真っ黒けっけと思ってください。(数回使用後の汁受け皿です。)

↓気合いを入れるとタールは全てとれました。ただ、疲れ果て、二度とやりたくないレベル。そして、結構ヘアラインの傷が付きます。

ということで、↑の写真を撮って以降、汁受け皿をキレイにするのは諦めました。ただ、マジックリンでも取れないタールに、リンレイの換気扇レンジクリーナーを塗布するだけでも落ちる汚れもあるので、ひとつ持っていても損はないかな〜と。
↓上の写真撮影後に燻製をし、レンジクリーナーを塗布して水で流した状態。使用する度にタールでびっしりになっていくと思いますが、それも「味」ということで、諦めますw (焚き火用のケトルとか鍋が煤やタールで真っ黒のまま放置するのと一緒な感じ。)

鏡面磨きのステンレスなだけに、キレイなまま保ちたい〜と思ってしまいますが、焼けで茶色くもなりますし、ここは初回からササッと諦めるほうが精神的によろしいかと。
総評
思いついた時に手軽にささっと燻製ができるのが、とても気に入りました。燻製やるぞ〜と気合いを入れなくて良いというか、カップラーメン作るぞ〜くらいの気軽さです。食材を置いて、ちょっと火にかけて、火を止めて放置するだけなので。パスタとかを作るほうがよっぽど面倒くさい!
登山用のチタンやアルミクッカー、キャンプ用でもガス・アルスト用のチタンやアルミのクッカー、焚き火用のステンレスや鉄のクッカーと用途別に鍋を使い分けているので、鍋コレクターか!というくらい山ほど鍋類が部屋に転がっていますが、これだけの量を一度に燻製できるサイズで、空焚きしても大丈夫なものは持っていなかったので、買ってよかったかなと思っています。デカすぎず、小さすぎず、本当に絶妙なサイズです。
燻製のニオイは洗えば、全く匂わなくなるので、スチーマーとしてやパスタ鍋なんかとしても使用できます。イワタニの炙りやの上に載せたら、おでん鍋としても使えそう〜♪
リンレイのクリーナーは700mlで700円くらい。マジックリンは400mlで270円くらい。ただ、タール除去力は格段リンレイのほうが上です。マジックリンはどうってことないですが、リンレイは手袋しないと本当に指の皮がボロボロになります!それくらい強力です!使ってみてわかりましたが、汁受け皿の裏側は諦めるとして、その他の蓋、網、本体の微妙なタールはリンレイを塗布してスポンジで洗うとキレイになります。マジックリンだけだと、ここまでキレイにならないので、やっぱり1本あると心強いです。
[追記:2024年7月]
リンレイのレンジクリーナーで後片付けの時に使用していますが、汁受け皿の裏側のタール・ヤニはスプレーだけでは除去できなくなってきました。これも味かな〜と思ってます。(笑)
