Garminを長らく愛用してきましたが、円安というのもありますが、価格設定がちょっとバグってる感が否めないので、脱ガーミン教を考えるように。
使っているスマホ、パソコン、タブレットが全てApple製品だし、OSがしっかり更新できる(7年くらいは安心)、修理・バッテリー交換もサポートがしっかりしているので、「電池の持ちはかなり心許ないけど、Apple Watch Ultraにしよう〜」と。
しかし、9月のApple EventでのUltra 3の発表を心待ちにしていましたが、発表されず…。くぅーーーー。
特に急いで買い替えが必要でもないので、来年の9月(発表されるかわからないけど)まで待っても良かったんですが、頭が買い替えモードに入ってしまい、あれやこれやと調べていると良さげな製品が新発売!というのを目に。それがAmazfitのT-Rex 3というモデルとCorosのPace Pro。Pace Proは材質が強化ポリマーなので外しました。(軽いけど…見た目が…)
Amazfitは、価格も安い!性能も良さげ!ということで、買う気満々だったんですが、サポートがどんな感じか調べてみたら、サポートページの修理のセクションをクリックして出てきたメッセージがこちら。
意味がわからんw 流石にこれは無理っす…。
で、たまたまT-Rex 3の対抗馬的に、このファーウェイ GT5 Proを比較しているYouTubeのレビューを発見!デザインのT-Rex 3のゴツゴツした8角形を大人しくしたデザインが、ビジネスシーンでも溶け込みそう。これ、いいじゃなぁーい!
GT5 ProはT-Rex 3より1万円ほど高いですが、使用している素材はハイクオリティ!(チタン&サファイアガラス)、メーカーにて修理はもちろん、電池交換もしっかり対応。(作業費をいれても8000円以内)もろもろトータルで見てもお買い得感があったので、人柱的に(笑)購入してみました。
ただ、下調べ段階でわかっていましたが、iPhone、そしてAppleヘルスケア、他のランニング系アプリとの親和性が100点満点ではありません。(後述します。)それを加味しても、購入してみる価値があると判断。
巷ではゴルフ機能が優秀とのことで賑わっていますが、ランナー視点でレビューしてみたいと思います。
モデル
GT5 Proのラインナップは、デザインや材質違いで4種類あります。価格が各モデルで違うのも、ちょっと面白いです。
46mmは、左のブラック(フルオロエラストマーベルト)が4万8180円、右のチタニウム(チタニウムベルト)が6万5780円。ベセルの材質は両モデルともチタン。
42mmは、左のセラミック(セラミックベルト)が8万7780円、右のホワイト(フルオロエラストマーベルト)が6万5780円。ベゼルの材質は両モデルともナノクリスタルセラミック。
完全にランニングが主なので、わたしは46mmのブラックを購入。46mmのチタンはスーツにめっちゃ合いそうです。でも、ブラックもウォッチフェイスを長針・短針のものに変えると結構ビジネスシーンでも違和感なくいけちゃうくらい、質感が良いです。
スペック(GT5 Pro ブラック)
一言でいうと、全部盛り。ただ残念ながら多分コスト、法律の関係などで、現在の日本国内ではNFCを利用した電子決済とECG(心電図)が使用できません。これらは、日本でも将来的に使えるようになるかもしれないので期待しています。
- ディスプレイ:AMOLED 1.43インチ
- 材質:チタン・サファイアガラス
- サイズ:約46.3 mm × 約46.3 mm × 約10.9 mm、重量53g(ベルト含まず)
- センサー:加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー、光学式心拍センサー、気圧センサー、温度センサー、環境光センサー、深度センサー
- 充電端子:高速ワイヤレス充電
- 対応OS:Android 8.0以降、iOS 13.0以降
- 防水機能:5 ATM(5気圧防水:50mの静水圧に10分間耐えられる)IP69K、ダイビングアクセサリー規格のEN13319規格(最大水深40mまでのフリーダイビングに対応)
- 通信規格:NFC(日本ではsuicaなどは未対応)Bluetooth 2.4 GHz、BT5.2(BR,BLE)
- 衛生測位システム:デュアルバンド L1:GPS + GLONASS + GALILEO + BDS + QZSS、 L5:GPS + GALILEO + BDS + QZSS
- 動作環境:-20℃–+45℃
- バッテリー持続時間:46mmモデルでは、通常使用で約14日間、ヘビーユースで約9日間、常時点灯機能使用時で約5日間。42mmモデルでは、通常使用で約7日間、ヘビーユースで約5日間、常時点灯機能使用時で約3日間
- 通話機能:マイク・スピーカー付き
ここがすごい!
GPSの精度
海外のレビューでもベタ褒めされていましたが、GPSの精度が素晴らしい!スペックにも記載していますが、通常のL1の周波数帯だけでなく、L5の周波数帯も受信できるので、ビルの谷間や山岳地帯でもより精度の高いトラッキングが可能。そして日本の衛生みちびき(QZSS)もL1とL5の両方で対応しているのもgoodです。
実際、GarminのL1のみとGT5 Proのデュアルバンドだと、同じルートを走っていても、このような違いが。
同じデュアルバンドでも、AmazfitのT-Rex3 vs ファーウェイのGT5 Proだと、T-Rex 3はビルの谷間などでの精度が低いという海外のレビューをいくつか目にしました。46mmモデルのみになるようですが、「ヒマワリ型測位システム」というものを採用しており、夏に咲くヒマワリが太陽を追従するかの如く、継続的に最適な状態で衛生の信号を受信するアルゴリズムを搭載とのこと。ワークアウトをスタートする際の衛生の捕捉も、ほんの数秒で完了します。
で、このヒマワリちゃん、「EXCELLENT」認定らしいです〜。🌻
バッテリーの持ちが良い
購入を検討していたAmazfitのT-Rex 3のほうがバッテリーの持ちは良いのですが、それでもGT5 Proも健闘している部類だと思います。メーカー公表では、GT 5 Pro 46 mmの場合、「バッテリーは通常使用で約14日間、ヘビーユースで約9日間、常時点灯機能使用時で約5日間持続します」となっており、私の選択基準の1つとして、GPSをオンにした状態での長時間使用(テント泊登山にも耐えられるのか)があったのですが、GT5 Proは問題なさそうです。
心拍数測定ON、睡眠測定ON、毎週90 分のワークアウト(GPS ON)、毎週30 分の音楽再生、毎週30 分のBluetooth通話、メッセージ通知ON(1日平均メッセージ50 件、通話6 件、アラーム3 回)、1日に200 回画面点灯。
心拍数測定ON、睡眠測定ON、呼吸乱れ検知機能ON、ストレス測定ON、毎週180 分のワークアウト(GPS ON)、毎週30 分の音楽再生、毎週30 分のBluetooth 通話、メッセージ通知ON(1日平均メッセージ50件、通話6件、アラーム3 回)、1日に30 分画面点灯。
常時点灯機能ON、 心拍数測定ON、睡眠測定ON、呼吸乱れ検知機能ON、ストレス測定ON、毎週180分のワークアウト(GPS ON)、毎週30分の音楽再生、毎週30分のBluetooth通話、メッセージ通知ON(1日平均メッセージ50件、通話6件、アラーム3回)、1日に30分画面点灯。
実際に公表値が正しいのか、ヘビーユースのテスト条件に近い形でテストしてみたところ、公表値に間違いはないようです。
届いた当日に100%充電し、33分弱のナイトランをしたところ、バッテリーの減りは100%のまま、その後30分ほどしたら99%に。▶ 30分/1%ということで、GPSオンだと計算上は50時間トラッキングできる。(あくまでも計算上です。)
そして、そのままセンサー類はすべてオン、通知も全てオンで就寝、翌日出社し、24時間が経過した時のバッテリー残量は89%に。▶ヘビーユースに近い使い方でのバッテリーの減りは一日あたり10%でした。計算上は10日持ちますが、実際は公表値の9日くらいだと思います。
受け取った翌日、ゴニョゴニョと各アクティビティの設定を変更していると、登山、ハイキング、トレランだけ、バッテリーに特化した設定があることを発見!100%充電時、パフォーマンスモードだと20時間、省電力だと40時間となっていました。
動作環境がマイナス20度ということで、厳冬期での登山でもグローブに加え、レイヤリングされたウェア類で覆われているので、寒さでバッテリーが死ぬことはないと思います。
Garmin RDポッド不要 / ウォッチ単体で完結
GarminのRDポッドというセンサーを腰につけると、ピッチ、ストライド幅、地面接地時間、接地時間バランス、上下動などをデータとして取り込めるようになるのですが、いかんせん面倒くさい。ロングラン中にお腹が痛くなり、トイレに駆け込んだ時に付けていることを忘れ、ショートパンツを下ろした際にRDポッドがポロッと…ということを度々経験したので、付けなくなりました。
で、すごいのが、このRDポッドを付けて計測していた事が、GT5 Proだけで完結できます。
RDポッドがないと見られないデータも、GT5 Proならモーマンタイ!そして、RDポッドで計測されていた数値とほぼ変わりません。
アプリのアクティビティの総括も見やすくて良いと思います。
充電のスピードが高速すぎて半端ない
フル充電が1時間とのことなのですが、実際に35%から充電スタートしたところ、100%になるまで32分ちょいくらいでした。あっという間でびっくり。公表値よりも速いです。
充電器はマグネット式で、Apple Watchの充電器みたいw
時計の裏蓋に充電器と接触する金属パーツがないので、錆の心配がないのが良き。Garminは充電ケーブルのポートが錆てました…。
ここがイマイチ
イマイチポイントの大部分は、Apple製品や他のランニングアプリとの親和性の低さです。
憶測でしかありませんが、アメリカ政府が情報通信技術とサービスのサプライチェーンの保護に係る大統領令に署名し、ファーウェイをアメリカ国籍の企業に取引を禁ずる企業のリストに加えたことで、色々と問題が生じているのではと考えます。Android版のHuaweiヘルスケア アプリもGoogle Playストアからは直接ダウンロードできませんでした。2025年にはHuaweiは脱Android化し、自社のHarmonyOS(このGT5 Proにも搭載)のNextと呼ばれるOSでスマホ展開するようです。
直接連携できるアプリが3つしかない(iPhoneの場合)
Huaweiヘルスケア アプリとデータの受け渡しが直接できるアプリが、Appleのヘルスケア、Strava、Adidas Running(旧Runtastic)のみです。これ以外のアプリで使用できるのは、Runtrip(StravaかAdidas Runningからデータを引っ張ってきている)くらいです。
本来であれば、Appleヘルスケアと連携できているので、ほとんどのアプリと連携できるはずなのですが、次に挙げる「ワークアウト」のデータが同期できないので、Huaweiヘルスケア▶Apple ヘルスケア▶Nike Run Club、Runkeeper、Relive、My Fitness Palなどにデータが届かない…という仕様です。Nike Run Clubは、ラニングを始めた2009年からデータ保存しているので、本当に困る。
Appleヘルスケアには「ワークアウト」のデータが同期できない
下記、左がGarmin Connectですが、その他のアクティビティを記録できるアプリでは、スポーツアクティビティの記録が包含された「ワークアウト」というデータが書き込み項目として入っています。しかし、右のHuaweiヘルスケアは、「ワークアウト」の項目がなく、アクティビティの記録がAppleヘルスケアに書き込まれません。
で、色々調べていたら、なんと2022年に海外のユーザーがファーウェイのコミュニティーにこの問題を投稿し、ファーウェイ側も問題を認識しているという事実を発見。
日本のHuaweiのサポートに連絡しようと思っても、ホームページ内のスクリプトに不具合があるようで、お問い合わせフォーム内の送信ボタンを押しても何も反応しないという、これまた困ったものに。サポートの方とチャットはできるので、チャットにて報告しておきました。
直接連携できるアプリが2つしかない(Androidの場合)
よくある「Androidあるある」で、Android版だとiPhone版よりももっと充実した機能の恩恵を受けているのでは?と思い、MacBook Proにエミュレーターを入れ、Android版のHuaweiヘルスケアを見てみたところ、こちらはStravaとAdidas Runningのみでした。
Appleヘルスケア的なアプリのAndroid版のGoogle Fitにデータが受け渡せていれば、Nike Run Clubなどにもデータが同期かも?と思い調べてみると、GoSyncというアプリ経由で接続できるとのこと。
一応、Huaweiヘルスケア→Google Fitへはデータが同期されました。
Android版のNike Run Clubをインストールし、Google Fitと連携させてみましたが、残念ながらNike Run ClubにはGT5 Proで記録したデータは反映されていませんでした。エミュレーター上でのGoogle FitにはしっかりGT5 Proのデータが反映されていたので、エミュレーターの問題なのか、Nike Run Clubに実際に反映されていないのか、ちょっとわかりません。
iPhone、Androidでできることが違う(2点だけ)
Huaweiのスマホだと全機能使用できるようですが、iPhoneと非HuaweiのAndroidスマホではできることに若干差があります。
- iPhoneとHuaweiのスマホでは、GT5 Proを写真や動画のリモートシャッターとして使うことができます。非HuaweiのAndroidスマホではこの機能がありません。(これ、結構便利)
- Huawei・非Huawei共にAndroidスマホでは、GT5 Proに音楽ファイルを転送できます。iPhoneでは残念ながらできません。(ウォッチのバッテリー消費につながるので、私はiPhoneから音楽を聞くので問題なし。)
説明書が無いに等しい
スタートガイド的なものはアプリ内から読めるのですが、詳しい機能、設定方法など全て盛り込んだ説明書がありません。ガジェット系などには精通している方ですが、機能や設定などを把握・理解するのが結構めんどうでした。あと、Apple版のアプリ内から、各設定ガイドを読もうとすると、loadingのマークが永遠とクルクル回っていてアプリでは見られないものがあります。アプリ内にデータを保存しているのではなく、ホームページのデータをアプリに読み込ませいるようで、これまた前述のお問い合わせメールフォールと同様にスクリプトがおかしいようです…。クロスプラットフォームでのQCが酷い〜。
総評
最近のスマートウォッチでは、どれもGPSトラッキング、心拍数、血中酸素濃度、睡眠の質など、計測できることにあまり違いが出てこなくなりました。ブランドロイヤルティなのか、デザインなのか、コスパなのかなど、何に重きに置くかによって、色々と選択できるようになったのは嬉しいことではありますが。
GT5 Proに関しては、アプリ側の問題でちょっと困ることもありますが、正直なところ、ハード側に関しては、デザイン、材質、機能性、どれも素晴らしく大満足で、買ってよかったなと思っています。
Garminでいうと、ベゼル・ガラス材質などはFenix 8(定価15万オーバー)以上のモデル並み、バッテリーに関してはForerunner 965(定価8万オーバー)と似たりよったりな感じなので、GT5 Proのお買い得感は半端ないです。
ありとあらゆるスマートウォッチのセンサー類のデータを蓄積し、比較している動画があるのですが、簡単にまとめるとGT 5 Proの心拍数のデータは比較的正確、GPS機能はかなり良い、睡眠トラッキングの精度はあまり良くないという感じでした。どの項目でも優れているのは、Apple製品でした。(流石…)意外だったのが、Garmin製品(モデルにもよるけど)、あんまりぱっとしない残念な印象…。(おいおい)
ただセンサーの精度に関しては、イマイチっぽい感じでも、とんでもなく使い物にならないというわけではなさそうなので、一般人レベルであれば、あまり気にすることもないかな〜。
毎回走るごとに走行記録を手入力でエクセルでも記録し、その時のコンディションなども記録しているのですが、全く同じコースを走っていても距離の違いがかなりバラバラで、なんだかなぁ〜と思っていましたが、GPSの精度がかなり良いのでモヤモヤから解消されそうです。(笑)
iPhoneユーザーは音楽を取り込めないので残念ですが、BT機器の接続もGT5 Proからできるので、BTイヤホンなど問題なく接続できます。試しに愛用しているラディウスのながら聞きイヤホンも問題なく接続されました。
ランニングをされる方は、お使いのアプリがこれからも使えるかが重要になってきますが、下記、現時点での状況を記してレビューを終わりにしたいと思います。
使えるアプリ:Strava◎、Adidas Running△、Runtrip△、Google Fit△
使えないアプリ:Nike Run Club 、Runkeeper、Relive、Komoot、My Fitness Pal
*iPhone版でのみ検証(多分Androidでも同じ)
StaravaはHuaweiヘルスケアのデータと完全一致しますが、Adidas Running、そこからデータを引っ張ってきているRuntrip、Google Fitは、一時停止中の時間もカウントした状態で記録されています。スタートボンタンを押してワークアウト終了ボタンを押すまでの時間が記録されるので、一時停止ボタンの意味が全くありません…。ということで、iPhone(多分Androidも)では、サードパーティのアプリは…Strava一択になる感じです。幸いにもわたしはGarminを使い始めた2016年からStravaでもログを同期させていたので、これからはStravaをメインにすることにします〜。